オーストラリアの人気観光地ケアンズには、熱帯気候の恩恵を受けたさまざまな自然スポットが存在します。今回は、日本では見られない貴重な「土ボタル」や、樹齢500年の圧巻の大木「聖堂の樹」が鑑賞できる、ロマンチックな夜のツアーをご紹介します。
ケアンズで神秘の光の土ボタル鑑賞

今回は、日中のパロネラパーク観光もセットになった1日ツアーに参加してきました。パロネラパーク観光を終えてからは、ケアンズ郊外のマンガリ・フォールズに移動し夕食をとりつつ、夜になるのを待ちます。今回は、熱帯雨林の神秘の世界を体験できる夜ツアーということで、このマンガリ・フォールズの下流の方へ向かって、真っ暗な山奥、道なき道をベテランガイドさんと共にバスで進んでいきます。
目的地付近に到着したら、右も左もわからぬまま小さな懐中電灯を頼りに土ボタルが生息するスポットまで歩きます。すぐそばには滝が流れ、心地よい音と澄んだ空気に包まれた空間のなか、目線を上げるとそこには壁一面の土ボタルが。青白い光が神秘的で、熱帯雨林の自然の偉大さを感じさせられました。
スマホなどでの写真撮影は基本的にNGですが、一眼レフカメラを持っている人は、マニュアルモードで土ボタルを撮影するコツを教えてもらい、順番に撮影させてくれました。
土ボタル(グロウワーム)とは
青い光で発光する特徴からその名が付けられている「土ボタル」。オーストラリアではケアンズのほか、世界遺産であるスプリングブルック国立公園などでも見ることができます。
土ボタルといっても、日本の蛍の仲間というわけではなく、ヒカリキノコバエというハエの幼虫なのだそう。オーストラリアとニュージーランドにしか生息しない珍しい生物なので、機会があればぜひ見に行ってみてください。
ケアンズの土ボタルの特徴
ケアンズでは、アサートン高原周辺に土ボタルが見られるスポットがあります。かなりの秘境というか、真っ暗ななか自力では来られないような道を進んでいくので、土ボタルを見る際はツアー参加が基本です。
土ボタルは、湿度が高く水気のある場所に生息しています。通常は洞窟などで見られることが一般的なのですが、ここケアンズの土ボタルは屋外の湿った岩肌に生息しているのだとか。月の明かりが強いと光が見えにくくなってしまうようなので、新月の時が狙い目かもしれませんね。
聖堂の樹はまさに「荘厳」という言葉がぴったり
土ボタル鑑賞を終え、ツアーバスはさらにオフロードを進んでいきます。次に向かったのは、有名ないちじくの木「聖堂の樹」が見られるスポットとのこと。
バスの停車後、街灯などがないため、手元の懐中電灯を頼りに森林の中を歩きます。ガイドさんの「みなさん正面をご覧ください」の掛け声とともに顔をあげると……

その高さ50m近くにも伸びた大木が目の前に!ジブリやファンタジー映画などに出てきそうな迫力に圧巻です。木の周りを一周ぐるっと歩ける遊歩道が整備されているので、ガイドさんから説明を聴きながらボードウォークを楽しみます。

「Cathedral Fig Tree」の名にふさわしく、本物の大聖堂と同じぐらい圧倒的なインパクトがあります。はじめはゴマ粒程度の小さな種だったものが、ここまで巨大化したというから、熱帯雨林の不思議さ、時間の流れの偉大さを感じられずにはいられません。いろいろな植物を侵食しながら複雑に絡み合い現在の形になり、そして今後も少しずつその形を変化させながら成長していくのでしょう。
写真でもその大きさは伝わると思いますが、実物を見たときの感動は想像以上のものでした。
パロネラパークと共に一日満喫できるツアーがおすすめ
「聖堂の樹」鑑賞が終わり、ケアンズへ戻る途中には、綺麗な星空が見えるスポットにも案内してもらいました。ガイドさんは星にも詳しく、南十字星が見える位置や星座の話なども教えていただき大満足です。
土ボタルと聖堂の樹は、日中に「パロネラパーク」も行ける1日ツアーに参加するのがおすすめです。ロマンチックな夜ツアーはカップルにもおすすめですよ。ケアンズの観光地はグレートバリアリーフやキュランダ村が有名ですが、まだまだ多くの魅力があるんだということを再発見できるはずです。土ボタルや聖堂の樹の鑑賞ツアーも、ぜひ次の旅行日程の候補に入れてみては?